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ドラマ「高校生レストラン」そして、これまで

■ドラマ「高校生レストラン

存外の面白さ、だった。

<高校生>によるレストラン。
レストランを開くのは調理クラブの生徒たち。
その新鮮さに過疎の町が<町興し>の一環としてくいついてきた。
だが、一ヵ月後のオープンを控えているのに、なかなか形にならないため、
教師の一人の知り合いで教員免許を持ちなおかつ板前である男が呼ばれる。
彼と高校生たちと学校側と町、の思惑がぶつかり合い、といった話なんだけど・・・・

何よりまず高校生の描かれ方が良い。
こういう時って判で押したように全員そろって板前教師に反抗するといったパターンになりがちなのが、
なんとか彼から技術を吸収したい者あり、教えてほしい気持ちはあるもの板前の強引さに反感を覚える者、単に面白そうだから参加しただけなので腹を立ててやめてしまうもの、なんとなく残ってしまった者、と様ざまなのが良い。
すれてもいない、かといって純粋すぎるでもない高校生たち。
そのへんのバランスを演じる俳優たちの引き算のできる演技が素晴らしい。

加えて、板前のつもりでやってきたのに、
教師である事も求められ困惑する板前に扮する松岡くんだが
彼の持つ硬質な佇まいが板前のいでたちをした途端ピタリとはまり、画面が実に美しい。

そのほか、教師になる自覚もない男に苛立ちを隠せない教師、
なんとか調整して生徒たちを成長させてやりたいと考えているらしい校長の暖かさ。

さらにアクセントとなるのが、
お金を出す以上、ある程度以上の成功を見込めないと困ると迫ってくる現実的な役所側のリアリティ。


高校生によるレストランを成功させたい、と思う気持ちは同じだが
そこにいたるまでの道筋が千差万別であり、
それがどう交錯し、どうぶつかり合い、どう折り合いをつけていくのか、非常に楽しみである。


■数回放送済みドラマだけど・・・
「幸せになろうよ」
あまりにもベタなので、これだけはやめてほしいと思った展開(柳沢の元彼が矢代)になり、ガッカリ。どう考えてもこれはやってはいけないと思う。

「生まれる。」
生理的に受け付けない。

「名前をなくした女神」
ドロドロ物といったらそれまでかもしれないけど、
この話を持って行きかたは<貴種流離譚>そのもので、
物語とはかくあるべし、といった形に惚れ惚れする。
ギクシャクしたものを抱えながらも、なんとか均衡を保っていたのが、
外界からやってきた<貴種>により、
その均衡が壊され、泡立ち、波立ち、動き出し、うねっていく、という典型的な物語の形。
美しいです。
俳優のみなさんは「お受験がテーマ」と思っていらっしゃるようだけど、
これはお受験なんかではない、壊れているのにかろうじて形を保っている夫婦が壊れていく話であり、人間関係の綱引きのバランスが崩れた時に何が起こるかの話なのだと思う。お受験云々はきっかけにすぎない。
by kumorinotini | 2011-05-08 16:15 | | Comments(0)

ミラーサイトだったのに、本家になっちゃって・・・


by kumorinotini