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「大奥~永遠」

まさか「大奥」を見て泣くとは思わなかったぞ・・・

なんと将軍・綱吉の寂寞とした人生であることよ。
為政者とはなんと孤独であることよ。

自分の生んだ娘に何度も
「母が好きか?」
と聞かずにいられない綱吉。
好きだといってくれる娘だが、すぐに乳母の下に下がってしまう。
無償と思われていた父の愛は、まるごと無償ではなく、
そこに自分の血をつなぐという大望があった事を知ってしまう綱吉。
将軍としていろんな男たちにかしずかれながら
それが自分が将軍であるゆえと頭のどこかで考えてしまい
満足を覚えることのできない綱吉。
その飢餓感、飢渇は毎夜男を取り替えて遊ぼうとも満たされることはない。
自分をひたすら慕ってくれている吉保ですら
父と寝ているところを見たばかりに信じられない。

そして、老いてゆく身。
自分がどう老いてゆこうと近習たちは自分にその身を捧げてくれようが
それは自分が将軍であるから。
将軍だから、皆、チヤホヤしてくれるのであって
自分が自分であるからではない。
渇望し切望しても、愛は与えられず、
空っぽの心を抱えたまま立ちすくみ、もう、生きているのは嫌だと思った時
「ずっと好きだった」
と言う男が現れた。
自分の長所ばかりでなく、欠点すらも愛おしいと言ってくれる男。
自分の全てを見ていてくれた男。
にもかかわらず「好きや」と言ってくれる男。
だが、その愛しい男は・・・

綱吉の悲しみを思うと涙が出るのよ。

祐筆の秋本は「お待ちかねの上様が」なんて
目を閉じたままの右衛門佐に報告してたけど
あれは死んでいたのだろうな・・・
頭痛が、なんて言ってたから、脳内出血のあたりかなぁ・・・

青白く目を閉じたまま微動だにしない右衛門佐のいる居室に
生き生きとした表情で障子を開け駆け込んでくる綱吉。
そこでばーーんと終るとこが潔いです。

う~~ん・・・切ないねぇ・・・
こういう内容を予想しておりませんでしたので
やられてしまいましたよ。
by kumorinotini | 2014-04-22 22:03 | 映画 | Comments(0)

ミラーサイトだったのに、本家になっちゃって・・・


by kumorinotini