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内舘さんの同窓会

内舘牧子さんのエッセイにこんなのがあった。


同窓会に遅れて到着すると
先に着いていた友人たちが
久しぶりに出席していたジマーマンさんの件を
口々に訴えたのそうだ。

彼女の娘がおエライさんと結婚したらしく
なんでもかんでもその事に結びつけて発言するのに腹が立つ、と。

例えばーーー
 「あら、あたくしの娘が
 一流大学出で○○省に勤めている人と結婚したもので、
 内舘さん、気後れして遅刻したりしてるのね。
 でも、気にしないでいいのよ。
 あたくしはそんなに心の狭い女じゃないわ。
 気にしないで頂きたいわ」
といったような。

一事が万事、
遅刻するのも
欠席するのも
話しかけてこないのも
なんでもかんでも
 
『彼女の娘婿があまりにも偉いから』

と 
話をこじつけてくるので気分が悪いと憤慨して
内舘さんにご注進に及んできたらしい。

内舘さんもじかにジマーマンさんと話をしたところ
同じ目に会い、たいそうご立腹の様子の文だった。


だが、私は違うことを思った。
みんな50歳代の大人である。
ジマーマンさんがやっと手に入れた自慢の種を暖かい目で見て、
心ゆくまで褒め称えてやることはできなかったものか、と。

それまでジマーマンさんは何ひとつ誇るものがなく
引け目に感じる必要なんかないのに
勝手に臆してしまって同窓会に出て来れなかったのだろう。
内舘さんの書き連ねるジマーマンさんの言葉を読むと
その事が推測される。

みんないい年した大人なのだ。
大人の態度で接してやればよかったのに、と思う。

誇るべき物を持っている人にはわかりにくいかもしれないが
私はなんにも自慢の種を持ってないので、
ジマーマンさんの気持がよくわかるのだ。

そんな自慢の種が手に入ったなら、大声で話して歩くだろう。
残念ながらそんな種はまったく身の回りにないので
できないだけの話だ。

だから、私はそんな人がいたら
一緒に喜んでやりたい。
感心してあげたい、と思う。



とは思っているけど
実際に目の前でそれをやられたら・・・
まっさきに腹を立てたりして。

ま、人間の感情の振り子なんていい加減だしね。
by kumorinotini | 2006-02-27 11:29 | 雑感 | Comments(0)

ミラーサイトだったのに、本家になっちゃって・・・


by kumorinotini