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セイヤさんからヒカルくんへ

数年前に「夜王」というドラマをやっていたのね。

東京に出てきた若い男がホストとなり、成功への階段を上がっていくお話。
店の名前は「ロミオ」で主人公の名前はリョースケというの。
面倒なんでカタカナで書くわ。

その店にはセイヤというNO.1のホストがいて、
ヒカルという若い子はそのセイヤ氏を父のように尊敬し兄のように慕っていたわけ。
どうもセイヤ氏にたいして恩義があるらしいのよ。

さてと、最初は下っ端だったリョースケは上客の後押しもあって、
やがてセイヤ氏と張り合えるまでになるわけね。
ま、このへんはドラマなんで。
ヒカルはセイヤ氏を勝たせたいあまり、勝手に暴走しリョースケを刺してしまうのよ。
幸いリョースケの傷は浅かったのだけど、
冷静になってみると自分のした事がとんでもない事であり、
セイヤ氏に迷惑をかけるものであると気付いたヒカル君はそのまま行方をくらましちゃうの。

でも、セイヤ氏の情報収集能力の前にヒカル君はすぐ見つかってしまう。
申し訳ありません!と土下座するヒカル君に
セイヤ氏はなんと言うのだろう、というか
ここにどういう台詞を持ってくるのかなと楽しみに見ていたら、
セイヤ氏は這いつくばるヒカル君のそばに優雅にしゃがみ、その耳元に穏やかな、でも甘すぎない調子の声で

「勝手にいなくなるな」

とだけ言ったのよ。

「勝手にいなくなるな」。

心配した、でもなく、何故姿を消したのだ?でもなく、

「勝手にいなくなるな」。

ああ、この言葉を持ってきたのか。
まったく考えもつかなかったわ。

そして、「勝手に~」の言葉の中に、ヒカル君は、
自分が心配されていた事、探してもらっていた事、そして許された事を知るわけよね。

この台詞ひとつだけで、ああ、このドラマを見ていて良かったなぁと思ったわ。

チョロイ女ねぇ、私も。
by kumorinotini | 2009-03-10 09:06 |

ミラーサイトだったのに、本家になっちゃって・・・


by kumorinotini