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回収

結婚したての頃、
義父母への誕生日プレゼント・父の日・母の日に何を贈るか、毎回悩んだものだったわ。
で、最初のうちは、わたしなりにいろいろ考えて一生懸命選んでたりしたのね。
義父には靴下とかネクタイ・セーターとかで
まあ、なんとかなったけど
義母はすさまじく物持ちだったのよ。
服から何から。
持っている物のほとんどを
うまく着こなす、使うというわけにはいかなかったけど、
とにかく数は持っていたわ。
洋服は箪笥2棹、キモノも箪笥1棹にぎっしりよ。
義父のものが入る余地がないので、
義父のは段ボール箱に入れて押入れに突っ込んでオシマイだったっけ。
それ見た時、わーーお!って思ったわよ。

でも、たくさん物を持っているからといって、そして、それらを使っていないからといって、
プレゼントしなくて良いということにはならないじゃない?
それでない知恵しぼっていろいろプレゼントしてたのよ。
エプロン、レースのハンカチ、バッグ、香水なんたらかんたら。
やがて悩んだ結果、
義母は嫁からのプレゼントなぞたぶん使わないだろう、
どこかにしまいこまれて終わりだろう、
じゃあ、いずれ彼女が亡くなったあとで私が回収して再び使えるものにしようと考えたのよ。
すごい発想よね。
自分で自分が怖くなるわ。

そんなある日、
ゴールデンウィークにダーの実家訪問した時、母の日のプレゼントも持参した事があったの。
そのときはスカーフを選んでいったんだけど、
その包装を義母はバサバサと開けて、包装紙ごとその辺にほうりだし、
挙げ句それを忘れて踏んづけて歩くという事があったのよ!

由々しき問題よね。

そのあたりからさすがにお馬鹿な私も考えたわ。
物は喜ばれないって。
今にして思えば、大嫌いな嫁の選んだものなんか喜ぶわけなかったんだけど。
その時の私は単純に趣味が合わなかったんだと思ってたの。
うーん嫌われてるって認めたくなかったのかもしれない。
とにかく残る物はよくないのだという知恵は回ったのよ。
で、数日で散ってしまう花を贈るようになったんで、一応無問題になったんだけどね。
はは、これは問題の先送りかしら。

それから30年近くたって、「いずれ回収」の発想が、まさか本当の事になってくると、
花なんかでなく、アクセサリにでもすればよかったかなと後悔チラリよ。

だってねー、どうせ義母は使わないでどこかに押し込んでおしまい、なんだから
そこそこ良いものだったら、きっと使えたに違いないからね。

という反省(?)はおいといて
このたび回収できたのは漆のお椀とスカーフでした。

どっちも押入れに突っ込んであったのだけど、
お椀は夫婦もので6千円/ふたつ、したし、スカーフは1万円のものだったせいか、
あるいは押入れ収納でのコンディションが良かったせいか、どっちも新品同様だったのよ。

見事に回収!!

そして、今、快適に使っているわ。

スカーフはともかくお椀は使ってほしかったなぁ・・・本漆のすごく良いものだったんだから。
あんなペコペコの100円お椀や欠けた陶磁器のを使うくらいだったら。
ま、大嫌いな嫁が選んだものなんて使いたくないのはわかるけど。
物に罪はない。
私なんて義母がプレゼントしてくれたブラウスをちゃんと着たんだからさ。

あはは、これは私が持っている衣服が少なくて
総動員しないと駄目だったからじゃないの?といわれたらそれまでだけど。
まさか嫌われてるって知らなかったから
義母がわざわざ手直ししてくれた、と喜んで着たのよ。

今思うと・・・・



馬鹿みたいだわ。




屈辱だわ。
悔しくって涙がでるわ、だって嫁さんだもん♪ 変か。



新品じゃないブラウス、義母のお古をさらに縫いちじめたブラウス。
それをちゃんと着たのよ、私。

知らないって怖いわねーーー。
by kumorinotini | 2010-05-13 11:55 | 舅と姑とその周辺

ミラーサイトだったのに、本家になっちゃって・・・


by kumorinotini