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ドラマ「絶対零度」とギフギボ

今クールのドラマで見ているのは「絶対零度」一本なんだけど、
こいつが予想に反してけっこう泣かせにくるのよね。
初回から第五話くらいまでは、シャープだったり泥臭かったりしながらも<未解決事件を解決する>というものだったのだけど。。。。

前編後編で描いた後編の方の第六話で、いきなりガツンとやられる。
5年前、ささやかな恋のキューピッドになろうと行動した友達・ユキがそのために無差別殺人事件に巻き込まれて殺されてしまう。殺された少女・ユキは、本来そこに行く予定ではなかったのに。春菜が憧れのT君にあてて書いた手紙をT君のカバンにしのばせるためにわざわざそこに行き、巻き込まれて殺されてしまったのだ。だが、たった10歳の子供だった春菜にその顛末をるる説明できるわけもなく、誰にもいえないまま、「自分のせいでユキは死んでしまった。自分が殺してしまったのだ」という思いを一人で抱え、ずっと自分を責めて生きてきた。5年後、別な事件に関わった結果、少女はやっと自分の抱えていた苦しい秘密を話すことができ、初めて人前で泣くことができた。この少女の苦しみと5年たってやっとその苦しみを他人に話すことができた事に良かったなぁと思うとともにああ、5年間なんと長く苦しかったことだろうと思うと泣けて泣けて仕方なかった。

そして、第七話。白血病になり、骨髄移植を受けて無事全快する事で、それまでの生き方を改めようとしていたIT企業の若い社長の話。お金さえあればなんでもできる、と豪語していた彼が、死ぬかもしれない恐怖におびえ、やがて無償の骨髄提供を受けることで、世の中お金だけではないと初心に戻り、それまで使っていた暴力団と手を切ろうとして殺されてしまう、という話なんだけど、生き直そうとした矢先に死ぬはめになってどんなにか悔しいだろうと思うとやはり泣けて泣けて。

で、今回の第十話。アルツハイマーになった教授の犯した殺人をかばう助教の話。助教の樋口瑤子にとって、教授の園田は父親のような存在であり、恩師であり、さらに彼がアルツになった今は保護すべき存在だったが、その教授が研究室の講師を殺してしまう。全力で彼を守ろうとする樋口は最後は嘘の自白までするのだが、殺された講師がこっそり仕掛けていた盗聴器により、教授の犯行であることが露見してしまう。・・・大量のメモの中にある、樋口に関するメモが泣かせる。「人を包み込むような暖かさ」「自慢の教え子」そして、殺人に結びつく教授が激高した理由も。警察署の中で取り調べを受けに行く教授と拘置所に戻される樋口が偶然行き違う最後の場面で、もはや彼女の存在も忘れている教授がちらりと見た樋口を「今の人は人を包み込むような暖かさのある人だ」と形容する場面で、すでに決壊した涙腺はさらに決壊してほとんど号泣ですよ。その言葉は15年前、教授が喫茶店でバイトしていた樋口を評して言う言葉なのね。


そこでふと思ったのは
「長男の嫁はどこにいる?」と聞いてきたアルツハイマーの義母に「わたしですよ」と答えると、義母が全力で「違う!あんたは長男の嫁なんかじゃない!」と否定してきたことと、
亡くなる数日前にこれまた入院中に認知症になった義父が
「スガコさん(=私)が『帰っておいで』って言ってくれたから、来週S市に行くんだ」
と楽しみにしていた、という話。(←その時見舞いに言ったミエ叔母にこう言ったそうだ。叔母にそう言う前にもダーに向かって「S市に戻りたい」と訴えていたそうで、ダーは「俺の単身赴任解消と一緒にS市に戻ろう」と答えておいたとか。もしも軽快して退院し生きてたら、そうなってたと思う)
気に食わない嫁、大嫌いな嫁であったのに、義父母の中での私のイメージがずいぶん変化したものだなと思うと、
このドラマの中の教授の、樋口に関してのまったく変わらない感想はどうなんだろ?これが本当なんだろうか?とちょいと思う。
まあ、アルツもいろいろあるし、その人その人によって置かれた環境も違うし、一概に言えないんだろうけど。
もしも、人物に関する印象がアルツハイマーによっても変化しないものだとすると
私は二人が死ぬまで「気に食わない嫁」であり「大嫌いな(長男の)嫁」であったのだろうけど・・・
ううーーん・・・・義母の場合、難しいなぁ。義母はアルツになってから「長男の嫁(=私)」を嫌っていたのを隠さなくなったし、かなり後期までその感情は持ち続けていた。
だけど、現実の、目の前にいる私は「長男の嫁」とイコールではないというか、まったく別人だと考えてたし、
彼女からは「スガちゃん、スガちゃん」と頼りにされてたような気がするし。
それに、義父も同居の後半はすっかり私に頼りきってたような気がするし。

あ~あ、結局わかんないんだわね。

今さらわかっても どうにもならないんだけどさ。
by kumorinotini | 2010-06-17 11:20 |

ミラーサイトだったのに、本家になっちゃって・・・


by kumorinotini