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大河「平家納経」

平家一族は厳島神社にお経を納めたわけだけど
とあるブログを読むまでは、とくに不思議には思わなかったのは
私もとことん日本人だなということかしら。
そうなのよ、神社にお経って考えたら変なのよね。
でも、今も昔もそのへんはごっちゃ。
当時のほうがごっちゃ度は高いかしら。
今は神社に納経なんてしないものね。
神のおわすところに仏、仏のおわすところに神、
土俗信仰やら怨霊信仰やらあいまって
神は祈願の相手だがどうも祓う力は弱いみたいだ、
でも外国からやってきた密教系の仏教は強力に祓ってくれそう、
なんてお仕事別に使い分けてたみたい。
除夜の鐘を聴いて、初詣ってその流れかもしれない。
あ~~ゆるい日本人。
ていうかなんでもあり、なのね、よくもわるくも。



さて、今回のお話は2大柱になってまして
そのひとつが納経だとするともうひとつは
崇徳さんの怨霊化、であります。

崇徳さんは保元の乱で敗走したあと、出家をいたします。
平治の乱でも西光が出家してたけど、
これには実はわけがあるのだそうで
敗者でも出家したらその罪を問わない、なんて暗黙のルールがあったんだそうな。
平安時代って優しい。というかなるべく恨みを作らないようにしていたのかな。
ほら、怨霊になるとまずいから。

だから崇徳さんもせめて都の片隅にでも居たいと思って出家したら・・・・なんと流罪。
それでも、ある意味そういう理不尽な刑罰でも崇徳さんはのみこみ、讃岐で貧しいけど穏やかに暮らしていた。
そして、写経をして弟・後白河の下へ送ったら
「呪詛じゃないのか?」てんで突っ返されてきた。
そこへ息子の死の知らせ。
崇徳は荒れ狂い、自らの血で呪詛の言葉を書き散らしたんだそうな。
血というのは貴族においてひどく不浄なものなのね、にもかかわらず自分の血で書く。
崇徳の恨み、怒りの大きさがわかろうというものだわ。

これは
崇徳を演じる井浦新さんの持つ柔らかさ、静謐さ、品格があったから
怨霊のようになった姿(蓬髪、爪が伸び放題)とのギャップが生きるんだわねぇ・・・

平安時代以降に書かれたお話の中では崇徳さんは
かくして日本の三大怨霊(あとは菅原道真、平将門)になっちまうんだけど
このドラマの中では船も沈めんばかりの荒れ狂いようだったんだけど
彼の死でその怨念は浄化された、みたいな描き方でした。

よかったなと思う。
救われたのかどうかはわからないけど
荒れ狂った果てに
崇徳さんなりに怒り・恨みを納めることができたんじゃないかと。
恨んだまんまじゃ、悲壮だもんなぁ。
うん、良い最期でした。
by kumorinotini | 2012-08-01 15:21 | | Comments(0)

ミラーサイトだったのに、本家になっちゃって・・・


by kumorinotini