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着るためではなく

訪問するたびに
「かあさん(=義母)のキモノをどうにかしてくれぇ」
と義父に言われていた。

邪魔なんだそうである。
畠で焼こうと思ったそうだ。(いっそ焼けばよかったのに)
いっぱい持っているんだそうである。 

おっちょこちょいの私はそんなに邪魔でどうにかしたいのなら、
どうせ車で来てるんだし、預かっていって売り払い、
その代金をそっくり義父母に送金すればいい、と単純に考えていた。

で、そうダーリンに話してみた。

でも、ダーリンの考えは違った。

「うちで勝手に処分しては駄目だ」
どうして?
「マーサがいるだろ」
マーサはダーリンの弟のお嫁さんだ。

(私からすると)キモノは資源ゴミに近い物だったが、
そう思わない人もいる、というのである。

おおっ!

そう言われればそうである。
マーサが着たいと思うかもしれない。

さすが、ダーリン!!

ま、着たいと思ったところで、
身長が130㎝に満たず体重が50㎏越えていると思しき義母のキモノを
マーサが着られるかどうかは疑問だ(マーサは150㎝くらいで中肉)が、
キモノに対して私とは違うイメージを持っているかもしれない。

それで、去年のお盆に訪問した時、
義父からいつもの「どうにかしてくれぇ」の台詞が出た時に
「私たちが勝手にどうこうするなんて事はできませんから」とお断りした。

と、義父が私に言った。

「マーサの事を気にしているのか?」
はい。
「マーサの事ならいいんじゃ。やるキモノはもう決めてある。
 夏冬の喪服ふたつと留め袖じゃ。
 だから、お前はマーサを気にしなくていいんじゃ」

でも、ダーリンは首を横に振り
「俺達の勝手にはできないから、母さんに万が一の事があった時に
 ギルバート(=ダーリンの弟)とふたりで考えるから、
 もうキモノの話はしないでくれ」
と引導を渡したのである。

そのあと、師匠の趣味のお裁縫用に、
華やかなものを1着くらいは頂いてもよかろうということになり、
タンスの引き出しから義母のキモノを引っ張り出してみたが、
30着ほど数えたところでダーリンと師匠がウンザリしてきたので、
中止した。

残念ながら華やかな模様の着物はひとつもなかった。
結婚してからこしらえた物ばかりで娘時代の物はないのだそうだ。 

義母によると全部で数百万円したそうだが、
どれもすごく地味な色合いの紬みたいな模様ばかりだった。
(ひとつ不思議だったのは、そのほとんどにしつけ糸がかかっていた事)


それにしても、引き出しから引っ張り出すたびに 

「やだーーーーどうしてこんなにあるのぉーー!?
 やっだーーーいつ買ったのぉーー!?」

義母上がお叫びになるたびに、ひっくり返りそうになったよ。

『そうそう。きっと、誰かが勝手に作っちゃったんだね。
 ・・・って、全部、あんたが買ったんだよ!!』

と、どうして誰もつっこんでやらないんだ?

嫁の私がつっこむわけにはいかんしなー。




師匠によると他の引き出しにまだ入っていたよ、とのこと。

え・・・?

それって、まずくない?
だって・・・それは、つまり、マーサが3で残りがうちって事だ。
あまりにも差がありすぎる。

ダーリンの言葉どおり処分をお断りしてよかった。
あとでトラブルにならないとも限らないもの。

くわばらくわばら。
by kumorinotini | 2006-01-12 11:30 | 舅と姑とその周辺 | Comments(0)

ミラーサイトだったのに、本家になっちゃって・・・


by kumorinotini