駅の男
2006年 04月 01日
高校3年の晩秋、私は妙な事に気がついた。
いつもの降車駅のいつもの場所に<彼>がいることに。
私はその頃汽車通学していた。
ディーゼル機関車だったので、電車ではなくて汽車。
そんな事はまあいい。
で、家に近い駅で降りるわけ。
その頃私が住んでいた家は
駅から歩いて10分もかからない所にあったので
歩いて家まで帰っていた。
で、高三のある晩秋の夕方
私はいきなり気づいた。
<彼>がいることに。
<彼>は、別に私のつき合っていた人でも何でもない。
学校でときおり顔を見かける事があったので
同じ高校の同じ3年生らしい、ということくらいしか知らなかった。
名前もわからない。
駅で降りて改札を通り過ぎると彼が立っているという事が
何度も続いた事に気づいたのだ。
そして、<彼>は私の方をちらっと見ると
私の7・8m先をゆっくり歩いていくという事に。
その車間距離ならぬ人間(じんかん)距離は
縮まりも狭まりもしないという事に。
初め、
私はわりと規則的な生活をしており
汽車の本数自体少なかったこともあり
乗る汽車の時刻がほぼ決まっているようなものだったので
<彼>もそうなんだろうと思った。
偶然なのだろうと思った。
というかそう思いたかった。
が、これが毎日となると意図的なものを感じてしまう。
それである日汽車を降りた後
ホームのベンチに座って短編をひとつ読むことにした。
これで私が改札を出る時間は少し遅くなる事になる。
いくら何でも10分近くも待ってないだろうと思ったのだ。
そうしてゆっくりと改札を出ると駅舎の出入り口に
<彼>が立っていた・・・・・!
<彼>はいつものように私の姿を認めると
いつものようにゆっくり歩き出した。
次の日から 私は帰宅時間をいろいろ変更した。
さいわいそのあと受験シーズンに入ったので
自然と学校に行く日にちも減ったし
帰宅時間も不規則になったせいで
<彼>の姿を見なくなったのだが、
一体<彼>は何が目当てだったのだろう?
私が可愛い子だったとかそういうのなら
<ファン>の人だなと思うところだが
あいにく私はその頃ものすごく太っていて(75㎏ほど)
トドがセーラー服を着て歩いていたような容姿だった。
(師匠なぞ私のその頃の写真を見ると「この人、誰?」と言うくらいだ)
顔も可愛くも何ともない。
「可愛い」とか「美」とかから真反対のところにいたのである。
マニアックな人でないかぎり 私に好意を抱くなぞ考えられない。
と言うことは・・・・
マニアックな趣味の人だったのだろうか・・・・?
それとも 単なる偶然で、私の考えすぎだったのだろうか?
それとも私が某王国の姫で彼はその護衛だったとか・・・?
ハッハッハ、まさかねー。
というわけで いまだによくわからないのだが
変な経験をしたというお話。
これは現実の出来事なので
オチもないし 謎解きもない。あしからず。
いつもの降車駅のいつもの場所に<彼>がいることに。
私はその頃汽車通学していた。
ディーゼル機関車だったので、電車ではなくて汽車。
そんな事はまあいい。
で、家に近い駅で降りるわけ。
その頃私が住んでいた家は
駅から歩いて10分もかからない所にあったので
歩いて家まで帰っていた。
で、高三のある晩秋の夕方
私はいきなり気づいた。
<彼>がいることに。
<彼>は、別に私のつき合っていた人でも何でもない。
学校でときおり顔を見かける事があったので
同じ高校の同じ3年生らしい、ということくらいしか知らなかった。
名前もわからない。
駅で降りて改札を通り過ぎると彼が立っているという事が
何度も続いた事に気づいたのだ。
そして、<彼>は私の方をちらっと見ると
私の7・8m先をゆっくり歩いていくという事に。
その車間距離ならぬ人間(じんかん)距離は
縮まりも狭まりもしないという事に。
初め、
私はわりと規則的な生活をしており
汽車の本数自体少なかったこともあり
乗る汽車の時刻がほぼ決まっているようなものだったので
<彼>もそうなんだろうと思った。
偶然なのだろうと思った。
というかそう思いたかった。
が、これが毎日となると意図的なものを感じてしまう。
それである日汽車を降りた後
ホームのベンチに座って短編をひとつ読むことにした。
これで私が改札を出る時間は少し遅くなる事になる。
いくら何でも10分近くも待ってないだろうと思ったのだ。
そうしてゆっくりと改札を出ると駅舎の出入り口に
<彼>が立っていた・・・・・!
<彼>はいつものように私の姿を認めると
いつものようにゆっくり歩き出した。
次の日から 私は帰宅時間をいろいろ変更した。
さいわいそのあと受験シーズンに入ったので
自然と学校に行く日にちも減ったし
帰宅時間も不規則になったせいで
<彼>の姿を見なくなったのだが、
一体<彼>は何が目当てだったのだろう?
私が可愛い子だったとかそういうのなら
<ファン>の人だなと思うところだが
あいにく私はその頃ものすごく太っていて(75㎏ほど)
トドがセーラー服を着て歩いていたような容姿だった。
(師匠なぞ私のその頃の写真を見ると「この人、誰?」と言うくらいだ)
顔も可愛くも何ともない。
「可愛い」とか「美」とかから真反対のところにいたのである。
マニアックな人でないかぎり 私に好意を抱くなぞ考えられない。
と言うことは・・・・
マニアックな趣味の人だったのだろうか・・・・?
それとも 単なる偶然で、私の考えすぎだったのだろうか?
それとも私が某王国の姫で彼はその護衛だったとか・・・?
ハッハッハ、まさかねー。
というわけで いまだによくわからないのだが
変な経験をしたというお話。
これは現実の出来事なので
オチもないし 謎解きもない。あしからず。
by kumorinotini
| 2006-04-01 09:20
| 雑感
|
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