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LOVEと書いたら

30代の頃住んでいた社宅で階段の奥様同士の歓送会をしていたのですが
ある歓送会の時、
隣に座った20代の奥様カオルちゃんが

「今朝ねーダンナのお弁当のオカズにLOVEって入れたんですよぉ」

と話しかけて来ました。

今でもあるかどうかわかりませんが
当時、ミンチで小さなアルファベットを形成して
加熱したあとで冷凍し
お弁当用にした物を売ってたんですよ。
彼女はそれを使ってLOVEとしたのだそうです。

「でもーVがなくって、Uで代替させたんですけど
 わかってもらえるかなぁ、なんてちょっと心配なんですよ」

「大丈夫よ。きっとウキウキで食べてるわよ。
 私はねー海苔をハートマークに切って海苔段々のお弁当にしてやるの」

と言うと、カオルちゃんも大喜びで

「よかったーウィルソンさんもそうなんだ!」

「うん、そういうこと やるやる」

と二人して盛り上がっていると

年長さん(40代半ば)のバレーさんが話に入ってきました。

「あなた方、お見合い(結婚)でしょ?
 お見合いの人がそんな事をするなんて
 ちょっとオカシイんじゃないの?」

え?・・・・・

オカシイですか?

「そーよ、変よ!!そういう事は恋愛結婚の人がするものなのよ。
 見合いの人がするのはオカシイわよぉ。
 見合いはもっとクールでなくちゃ駄目なのよ」


バレーさんは断定の人、でした。

常日頃から自分が<世界標準>、という人でした。
だからバレーさんは他人の意見なんかに耳を傾けません。

これは困った人がひっかかってきちゃったなと困惑していると
隣で

「そりゃお見合いかもしれないけど(相手が)いいなと思ったから結婚したんだし」

とカオルちゃんがブツブツ言ってます。
私もバレーさんの発言は極端すぎると思いました。
いくら年上の主婦でもそんな決めつけはされたくありません。なので

「でも、私、うちのダンナの事、大好きだし」

と言うと、カオルちゃんも

「私もうちのダンナさんの事、大好きです」

とキッパリ言いました。

すると、バレーさんは口をゆがめ見下した表情で

「じゃあ、きっと、あなた方はまともな恋愛をした事がないのね。
 だから、結婚相手と疑似恋愛なんかしてるのよ。絶対そうだわ。
 気の毒ねーちゃんとした恋愛をしてないなんてーー」

<ちゃんとした恋愛>がどんなものか、具体的にわからなかったのと
場の雰囲気があまりにも悪くなってきたのとで
何も言えなくなっていると
バレーさんと同じ年くらいのアフト夫人がさらりと言いました。

「それじゃあ、バレーさんの恋愛のお話でも聞きましょうよ。
 ずいぶんおモテになったんでしょう?」

「ええ、それはもう!」

と笑顔になったバレーさんはそれから自分がいかにもてたかを
お話しになられ、そこから話題がどんどんそれていったので
私はほっとしました。

やわらかい笑顔で話を切り替えてくれたアフト夫人は
その後、なんどか立ち話をする機会に恵まれましたが
たいへん聡明な方だと知りました。

そして私はその方にいろんな事を教わりました。

とても有り難い出会いだったと思います。

あんな40代になりたいなと思いましたが
なれたのかどうかわからないまま時は過ぎ、今では50代です。

若い頃は、50代がとてもオトナに思えたけれど
いざ自分がなってみると
以外に変わっていないのだなぁと痛感する今日この頃です。
オトナの人は若い頃からオトナだし
何歳になっても 子供のままの大人だっていますしね。

え?
オトナでないのは お前だけだって?

あらら、それは・・・・・
by kumorinotini | 2006-06-03 13:34 | 知人友人 | Comments(0)

ミラーサイトだったのに、本家になっちゃって・・・


by kumorinotini