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熱い火箸、熱くない火箸

中村勘三郎と彼の愉快な仲間たち(?)のドキュメンタリーを見たことがあるんだけど、その中で勘三郎は自分が演じてきた<お辰>という役を二人の息子(勘太郎と七之助)に交互にやらせることにしたのだけど・・・

その前にそのお辰という役の説明。
私、よく知らないんだけど、お辰は美人で色っぽい魅力的な女なのだけど、性格は女伊達というか気風のいい親分肌という設定なんですって。
でも、あまりにも良い女すぎて誰もそっちをちゃんと評価してくれない。
そこでお辰がとった行動というのが、自分の顔に火箸を押し当てて、良い女度を下げる、という猛烈な手段だったの。
番組で取り上げていたのは、まさにお辰が火箸を頬に押し当てる場面だったわ。

ところが演技のはずなのに
勘三郎の火箸が「本物」に見えたのよ。
息子二人のはちゃんと小道具だったんだけど・・・

勘三郎のお辰はその焼け火箸の持ち手を袖で包み、顔から離れるようにして持ちあげ思わずふーふーしてしまうのよ。
で、ほんの少しだけ躊躇するの。
熱いのにいいの?
痛いわよ、きっと。
そして、顔にヤケドの痕が残るけどいいの?なんてね。
でも、勇気を振り絞って、えいやっと頬に押し当て、熱いを必死で数秒こらえるのね。
これがもう
思わずやめて!と言いたくなるほどだった。
火箸の重み、熱さ、当てた時の痛さ。
どれをとっても迫真だったのよ。

これはもう演技力というか格の違い、というか、
まあ、そういうものだろうと思うんだけど。
勘三郎ってスゴイんだなぁと驚嘆したひとこまでありましたよ。
by kumorinotini | 2009-03-03 13:38 |

ミラーサイトだったのに、本家になっちゃって・・・


by kumorinotini