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日曜日、午後一でPCに電源を入れると
バスターさんからの緊急のお知らせが入っていて
詳細を見ると

「ウィルスが入りましたが 隔離できませんでした」

・・・

隔離できないって・・・

バスターのバカ野郎ーーーーっ!

何のために高い金払ってると思ってるんだよっ!?

・・・いや、そう言い切るほど高くないけど。


それが日曜の午後の事だったんで
折良く在宅していた師匠にどうしたら良いのか聞いてみると
どれどれとやってきてくれ、

「さてさて・・・ウィルスとスパイウェア、両方隔離できない、だってさ。
 ったく、やっつけてよ、こんなもん。
 仕方ない。えーーと、削除の方法はと・・・」

バスターさんの指示通りセーフモードを立ち上げ
さらにバスターさんの指示通りあれこれやって
パソコン前に陣取ってねばる事数時間。

「おかしいな。指示通りやってもすぐ元にもどっちゃうなぁ・・・
 このまま削除しちゃっていいのかな・・・?
 えいっ、削除してみよう。どうだっ?駄目か・・・」

と、いろいろ試みるも居座るウィルスとスパイウェア。

「これ何なの?」
ときいて見ると

「<トロイの木馬>とワームって奴」

「え、これが?うわーーとうとう家にも来たんだぁ」

と妙に感動を覚えてしまうシロウトの私でした。
師匠はいろいろ作業しながら

「まったく、ゲーオタ野郎はろくな事しない」とブツクサ。

「え?え?何?」

「うん、これね、『リネージュ』っていうゲームの方から来てるんだ。
 ゲームやってる人の誰かが作ったんでしょ。
 ゲームだけやってりゃいいのにさ」

結局、その日は削除できず、一応緊急ロックをかけました。

翌月曜日、ダーリンも師匠も一日中仕事で
バスターさんに電話できず。

火曜日、ダーリンが午後から休みだというので
バスターさんの中の人とお話(30分待機!)をしてもらいましたが
さんざん話した挙げ句、バスターさんでもわからない模様。
(バスターの方から)Eメールアドレスを送るので、
それに、<木馬>ちゃんをなんたらカンタラして送り返してほしい、と。

電話が終わったあと、何回目かの検索が終了したところだったので
ダーリンは削除の文字を片っ端からクリックしてました。
下手な鉄砲も数打ちゃ当たる・・・?
それで何とかなるのかしらと懐疑的だったのですが
ダーリンはひょっとしたら、ひょっとするからとクリッククリック。
そして、再びバスターの<検索(する)>の文字をクリックしてから、

「じゃ、俺、ちょっと用事があるから出かけてくるけど、
 見つかっても見つからなくても検索が終わったら、終了しといて」

と出かけていきました。
ドキドキしながら待つ事数十分。
と言ってもじっと見ていたわけではないので、ふと気づいて
画面を見ると『検索終わりました』みたいな文字が。
もしも、ウィルスやスパイウェアをみつけたら
「隔離しました」とか「できませんでした」とか報告の文字があるはずです。
でも、そんな文字はどこにもありません。

え?

これって
スパイもウィルスも見つからなかったって事よね?

いいんですよね?

うん、いいんでしょう。
ちょっとキツネにつままれたみたいだけど、とりあえず良かった、良かった。
それにしても
パソコンって 謎の箱だわー。
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by kumorinotini | 2007-07-31 15:34 | 電脳

太らない男

舅は姑の介護で十数キロ痩せたのが自慢なんだけど
うちに来てからもまったく太らない。
信じられないほど太らない。
まるで何も与えられてないみたいに。
まあ、あれだけ動いているんだから
仕方ないかな、とは思うものの
まるで私がまったく食べさせてないみたいで
内心憂鬱でもあるのだけど
太らないものは太らないのだから、仕方ない。
オカズをたくさん出してもたくさん残すし
ゴハンを山盛りよそっても「多すぎる」と残すし
私としてはこれ以上何をしていいかわからない。
何故太らないのだろう、
何が悪いんだろう、
どうしたら良いんだろうと考えると涙が出てくる。

なのに舅は
「やせてるね」と誰かにといわれようものなら
喜々として
「全然太らないよ」と答えるのだ。
それはもう嬉しそうに。 
それをそばで聞いている私は立場がない。
辛い。
でも、私の気持ちなんか考えないんだろうな。
だから、よくぞ気が付いてくれました、とばかりに
満面の笑みで
「そうなんだ。全然太らないんだ」と答えるのだろう。
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by kumorinotini | 2007-07-31 11:44 | 夫さんの一族

見下ろす男

姑の入院先に男性の看護師さんがいる。

先日、その看護師さんが姑の病室にやってきた。
廊下を歩いているところはよく見かけたが
姑の病室で行き会わせたのは初めてだった。
彼は床ずれができないように姑の身体の向きを変えたあと
姑の枕元に立ったままじっと彼女を見始めた。

ほかの女性看護師さんだと忙しくない時は
姑の手を握ったり顔を寄せたりしながらいろいろと話しかけていく。
高熱を出した翌日などはたいてい

「昨日はビックリしたけど(熱が)下がってよかったね」とか

「調子はどうですか?寒気はしない?」とか

「今日は元気そうで良かったわー」

なんて話しかけていってくれる。
その時も姑は前日高熱を出してやっと熱が下がったところだった。
だが、その男性看護師さんは黙ったままである。
そのうち何か言うだろうと思って私も待っていたのだが、
1~2分そうやって黙って見下ろしたあと
「じゃ」
と立ち去っていった。

あの数分は一体何だったのだろう? 
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by kumorinotini | 2007-07-29 07:28 | 夫さんの一族
本日午前中見舞いに行ったら
舅が憤怒の表情。
頭に来た事があったらしい。
「みんな言う事がバラバラじゃ!」
あーーー
また話を横っ腹からするから、私には何の事だかわからない。
そんな話聞きたくないなぁと思ったけど
これも嫁の務めかもしれんと聞いてさしあげる事にした。

ーえーー誰と誰の話がバラバラなんですか?
「看護婦じゃ」
ーえーーどういう話が・・・?
「こっち(手引き書をさして)には書いてなかったのに してないのかと言うんじゃ」
ー・・・?何をですか?
「ボトルの洗浄じゃ」
ーあら、それにはちゃんと洗浄の手順が書いてありましたよ。
「やるって書いとらんがー!」
ー???
「そっち(チェック表)には書いてあるけど
 こっちには書いとらんがー」

全く話が見えない。
あれこれ聞き出して、やっとわかったのは
チェック表には<洗浄>の項目があったけど
手引き書に洗浄のやり方が書いてあったので
病院で教わらなくても良いと舅が勝手に思いこんでいたところへ
看護婦さんが『いかにもやってない事を責めるような』口振りで
「ボトルの洗浄、まだ、やってないんじゃないの?」
と言ったので
舅はいたく腹が立った、ということらしい。

んなもの、勝手に決めつけて勘違いしたおめーが悪いよ、と
言ってやりたかったけど
弱ってるジジィにそれはきつかろうと
「ああ、言い方のきつい人もいますからね。
 でも、何事もやってみた方がいいですから
 気づいてもらえて良かったじゃないですか。
 手引き書だけでは不安が残りますからね」

んが、さらに滴下速度に関してバラバラな事に関しても
不満がありそうな舅に
「つまり、けっこういい加減でもOKという事なんですよ。
 きっちりしなくても良い事がわかって良かったじゃないですか」

さて、午後5時、今日の送別会のために早めに帰ってきた夫に
舅が怒っていなかったか聞いてみたところ
私に振り向けた怒りはどうも収まっていたみたいで
とくにそういうのはなかった、という話。

けっ!
私だけ、アホみたいな愚痴の聞き役かよ。
あーーー腹立つ。
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by kumorinotini | 2007-07-27 11:46 | 夫さんの一族

モニカの1周忌

モニカが亡くなったのは去年の4月だけど
私が彼女の訃報を聞いたのは去年の7月下旬に入る頃。
そのせいか私の中では
7月が一周忌のような気がする。

もう1年。
早いものだ。
この1年の間に私は何をしたかと言うと・・・何もしてないなぁ。
若い頃なら、何もしてない事に焦ったりしたんだろうけど
この年になると
それも良きかな、なんて思ってしまう。
何かを成しても良いし、何もしなくても良いと思うのだ。

私は今でもモニカのアドレスにメールを書いている。
ほとんどが愚痴メールだ。
モニカから返事が来ることはもうないけれど
以前だってそう頻繁に返ってきていたわけではないので
これまで通り
モニカに愚痴を受け止めてもらっている気持になるんだけど・・・
送信の文字をクリックした後で
やたらと悲しくなる。

やっぱり幽霊でもいいから 会いたいなぁ・・・・
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by kumorinotini | 2007-07-26 12:23 | 知人友人

ウンザリするとき

北海道も昨日からちょっと暑い。
体重の減った姑だが 相変わらず暑がりなので
今日、扇風機を持って病室へ行ってきた。
すると、舅が

「扇風機を使うとお金をとられるがー」

と、迷惑そう。

はーーーそうーなんだ。
それはすまんこって。

「あ、そうでしたか。すみません、じゃあ、持って帰ります」

というと
慌てて、

「いや、1日100円程度だし、母さんもそんなに入院してないだろうし
 使う、使う」

と。

あ、そ。


いつもの事ながら

   どっちなんだよ?!


と混乱する私だ。
今日はあんまり風のない日だったんで
姑はけっこう喜んでたけどね。
こんな事が積み重なると
快適に過ごしてもらおうと いろいろ考えるのがアホらしくなるね。


悪いけど やっぱ、姑には早く死んでもらって
舅にはオンセンマチにさっさと帰ってもらいたいもんだ。
あるいは
退院して オンセンマチに里帰りして
あっちでポックリ死んでもらいたいものだ。

私は黒い嫁さんなんだよ。
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by kumorinotini | 2007-07-25 11:49 | 夫さんの一族
(続き)

多恵ちゃんと戸田さんが真剣な顔つきで私を見ている。

「ええと・・・どうしてほしいのかな?」

多恵ちゃんが声をひそめて言った。

「これって・・・営利誘拐ですよね?」

「でも、陸はここにいるわけだし・・・」

と戸田さんが首をひねった。

「う~~ん・・・一見するとそうよね。だけど、なんていうのかなぁ・・
 大人が一枚かんでる感じはしないというか・・・子どもの・・・イタズラ?
 そんな感じがするのよねぇ。イタズラと言い切ってしまうには
 なんだか必死な感じもするし・・・
 『金を持ってこい』と言ってるわりには金額を書いてないし。
 それでね、たぶん、この『金を持ってこい』だけの紙切れが
 一番最初に入れられたんだと思うのよ。
 で、ミスに気づいて第二弾を書いて、
 またミスに気づいて第三弾も入れた、そんな感じ。
 計画してるわりに間が抜けてるというか・・・
 しかも、授業参観のお知らせのプリントの裏だし。
 多恵ちゃんがこの辺に来るのは今日が初めて?」

多恵ちゃんがこくんと頷く。

「まあ、また、元亭主のイヤガラセって事も考えられなくもないけど
 学校のお知らせの裏ってのがねぇ・・・ちょっと違うかなぁ。
 最近多恵ちゃんにストーカーみたいなのがいたわけじゃなし。
 だいいち陸は今、多恵ちゃんがダッコしてるしね。
 誘拐の予告ってのも変だし、で、結論としては 
 多恵ちゃんが誰かと間違えられた。このあたりかなぁ・・・」

とあたしが言うと、戸田さんがほっとした顔をした。

「でも、まあ、一応誘拐らしいから警察に行く?」

戸田さんと多恵ちゃんが頷いたので、3人でもよりの派出所に行き
例の紙切れを見せて、なんとも頼りない<誘拐>の件を報告すると、
巡査さんが困惑しながらも本署に連絡を入れていた。
あたしたちは名前と住所などを教え、派出所を後にした。
陸がぐっすり眠ってしまったので、多恵ちゃんをタクシーで帰し
戸田さんは祭りの後始末があるからと本部のテントに戻っていった。

なんだかんだやってるうちに10時近くなっていた。
確か来る途中に新富公園てのがあったっけ。
朝の10時か夜の10時かわからないけど、ちょっと寄っていってみるか。
ぶらぶらと歩いて公園に近づくと小声で
「来たぞ!」
「あれじゃない!」
「違うの?」
「母さんじゃないよ!」
「来ない気かなぁ・・・」
と言い交わすのが植え込みの中から聞こえた。
子どもくさい声と話し方。
しかも声変わり前の男の子の声みたいな。
あたしは公園の真ん中に立つと大きな声で言ってみた。

「誘拐犯の皆さん!お母さんは来ないわよ」

「えーーっ、なんでだよーー!?」

と一人の男の子が植え込みの中から勢い良く立ち上がったと思ったら
誰かに頭を押さえつけられてすぐに引っ込んだ。

「何故来ないのか、というと・・・
 あなた方がお金を要求するメモを渡す相手を間違えたからよ」

また、植え込みから声。
『ちゃんと渡したよ、俺』
『だけど、違うって言ってるぞ』
『顔だって確認したし、トンボ模様の浴衣って言ってたじゃないか』
『違うよ、あれは俺達を騙そうとしてるんだって』

トンボ模様の浴衣・・・?
あれ?
そうだ・・・
色違いの浴衣を着た人をあたしは神社の入り口で見た・・・
よし、ここは勝負をかけてみよう。

「トンボ模様の浴衣でしょ。浴衣の袖の中に入れたのよね。
 でも、トンボ模様の浴衣の人はすくなくとも二人いたわ。
 紺色のやつと、もう一人は鮮やかな・・・う~~ん、派手な青?」

と、よく通る高めの声がした。

「アズーリだよ。母さん、イタリア・サッカーチームのファンだから
 アズーリにするって言ったんだ」

小学校中学年くらいの少年が植え込みの陰から立ち上がった。
「おい!」
と言う声に、その子は

「もう、いいよ。みんな、サンキュウな。
 母さんが来てくれるかどうか知りたかったけど・・・
 母さんに紙が渡ってないんなら、来るわけないし。
 こんな風に母さんを試すのって・・・なんだか母さんに悪い気がするし」

「お母さんの愛情を試したかったの?」

「うん、まあね」

「愛情を疑うような事でもあったの?」

「・・・言いたくない」

「そっか。じゃあ、言わんでよろしい」

「へ?聞いてあげるから、言ってごらんって言わないの?
 そんで、聞いてから『お母さんを疑っちゃ、お母さんが可哀想だ。
 自分のお腹を痛めて産んだ子が可愛くないわけがない』とか
 説教しないの?」

「しない。だって、私はあなたの事もあなたのお母さんの事も知らないもの。
 それにねー世のお母さん達みんなが子どもを愛してるかというと
 そんな事もないしね」

「・・・オバサン、変わってるね」

お、おばさん・・・?!
と、ズボズボと植え込みの中から子ども達が立ち上がった。
5・6人くらい?
さらに植え込みの陰や立木の陰から大人の男が数人姿を現し、
男達の一人がポケットから何やら取り出し子ども達によく見えるようにしてから言った。

「オジサンたちは警察だ。この誘拐事件を起こしたのは君たちだね?」

おお。
ちゃんと張り込んでたのね。
そう信じたから、公園に来れたんだけどさ。
刑事の一人があたしの方にやってきて

「えーーと、あんたはこの子たちとはどういう関係?」

「身代金要求の紙きれを交番に届けた者です。
 で、この子達とは無関係です」

刑事さんはめんくらった顔をした後で、

「えーーと一応本署に来て頂けますか?」

あーーん、もお!
自分で蒔いた種だもんな、仕方ない。同道いたしましょ。

署についたあと、子どもたちとはみっちり説教され、
急遽呼び出されたそれぞれの親に引き渡された。
たぶん、家に帰ったあとも叱られるんだろうな。
あたしもみっちり叱られましたよ。
小学生のイタズラだったから良かったようなものの
もしも大人が絡んでいたら危ないって。
それに浴衣の婦警さんもちゃんとスタンバってたそうだ。

そうそう。
問題の坊やのお母さんは署にちゃあんとやって来ましたよ。
やはり、神社の入り口で見かけたあの人だった。
彼女は刑事たちに何度も頭を下げたあと、
問題の子どもの頭をぱあーんとひとつ気持よく張ってから、
言った。

「1ヶ月はあんたの好きなハンバーグは作らないからね。
 それにね、加藤さんは仕事の上司で、仕事の相談に乗ってもらってただけで
 別に何かあるわけじゃないの。
 死んだ父さんよりカッコ悪い男に私が惚れると思う?
 それって私と父さんに失礼じゃないの」

<問題>君は素直に「ごめんね」と言うと、嬉しそうに彼女と手をつないだ。
ふっふっふ。
まだまだ、甘ったれたい年頃なのねー。
署の玄関を出しなに<問題>君はあたしを振り返って言った。

「オバサンも良い男みつけろよ。お祭りに一人で来るなんて格好悪いぜ」

・・・・クソガキッーー!!
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by kumorinotini | 2007-07-25 07:27 | 創作
うちの運転手兼ボディガードの戸田さんの近所の神社では
7月半ばに夏祭りをやるんだそうだ。
以前は香具師が来て、夜店を出していたのだけれど
10年くらい前に傷害事件があってその年のお祭りはメチャクチャになってしまった。
その後、神社と地域の人々で何度も話し合った末、
神社、地域の商店街、町内会主催で夜店を開く事にしたのだそうだ。
夜店特有のいかがわしさが消えて、物の値段が明朗会計になり
露天商の半額くらいの品物が並ぶようになり、
近隣からもお客が来るようになりそこそこの儲けが出るそうだ。

戸田さんは今年初めて裏方に参加を表明し夜店担当になったのだけれど
売り子として声を張り上げるのは恥ずかしいので
裏方として焼きそばやたこ焼きのキャベツを刻むそうだ。

「けっこう面白いから来てください」

と戸田さんが夜店担当の役得としてもらった割引チケットを事務所に持ってきた。
見ると、そもそもが露天商価格の半分くらいのお値段なのにさらに50円引きだったりする。

「あら、こんなに値引きして大丈夫なの?」

と聞くと

「祭りというか今じゃあ町内会の親睦会みたいなもんですからねぇ」

と戸田さんがニコニコ顔で言う。
というわけで、有り難く頂いて行ってみることにしよう。


神社の境内にはいくつも提灯が灯り、人もいっぱいいてすごくにぎわっている。
「素人さんがここまでねぇ・・・」と思わず立ち止まって感心して眺めてしまった。
と、青地にトンボ模様の浴衣の人が横を通っていく。
ん・・・多恵ちゃん?!

多恵ちゃんがそんな模様の浴衣を着る、と言っていたからだ。
多恵ちゃんの離婚に怒っていた故郷のお母さんがやっと理解してくれて
今年、浴衣を縫って送ってくれたそうだ。
「陸のが白地に青いトンボで、私のは青い地に白でトンボ模様。
 色違いのお揃いなんですよ」
と多恵ちゃんが嬉しそうに教えてくれたっけ。

今通り過ぎようとしているのはかなり鮮やかな青だけど、一応青地に白でトンボ模様の浴衣だ。
多恵ちゃん!と声を掛け、走り寄って肩を叩くと、その人は振り返った。
ところが、これがまったくの別人。
ごめんなさい、間違えましたと言うとその人はくるりと背中をみせて歩いていったのだけど
なんとまあ、斜め後ろからみた顔立ちが多恵ちゃんそっくり。
でも、正面の顔はまったく違うの。
へえ、こんな事もあるんだなぁと自分のそそっかしさに苦笑しながら
境内に入っていくと、どこからどうみても香具師にしか見えない初老の男性が

「さあさあ、お子さんの大好きな綿飴だよーー
 そこのお父さん、可愛い子どもさんにひとつどうだ?」

としゃがれた声を張り上げていた。
名札をみると<町内会長 長野>になっていた。
まあ会長さん、貫禄たっぷりだわ。本物の香具師にしか見えない。

こういうお祭りにくるのは久しぶりだけど、
こんなに小学生が多かったかしらと思うほど、小学生だらけ。
このお祭りは町内会で仕切っているから、安心といえば安心だものね。
ふと見ると、鉢巻き姿の戸田さんのデカイ身体が見えたので、
声をかけようとしたらおやおや、多恵ちゃんが横にいる。
今度は本物の多恵ちゃんだわ。
陸を抱っこしているから。
多恵ちゃんは藍色の地に白いトンボ模様の浴衣。陸はその反対の色会わせ。
戸田さんと並ぶと、なんだか、若い夫婦みたい。
素敵なカップルといったところね。

ちょっとほほえましい気持で二人を眺めていると
多恵ちゃんが浴衣の袖をバタバタさせて戸田さんに何か見せている。
ふたりで紙切れみたいなのを並んでのぞきこんでいる姿も
なかなかいい感じだわ。

と、顔を上げてきょろきょろし始めた戸田さんとうっかり目が合ってしまった。
ごめん、ごめん、邪魔者は去る、よね。
え?手招きって事は・・・
あたしに用?

せっかく良い感じのところなのに、呼ばれたとあっては仕方ないわね。

「何?何かあったの?」

「あゆみさん、多恵さんの袖にこんなものが入ってたそうです」

見ると、それはくしゃくしゃにしたのをちょっと伸ばしたような紙切れで
しかも3枚あった。
ひとつは

「子どもは預かった。金を持ってこい」

次が

「子どもは預かった。新富公園に金を持ってこい」

3枚目は

「子どもは預かった。10時、新富公園に金を持ってこい」

と、下手くそな字で、しかも鉛筆で書いてあった。
多恵ちゃんが眠くなってぐずる陸をあやしながら言った。

「全部、小石が包んであったんですよ。戸田さん、さっきの小石・・」

あ、そうだと戸田さんが法被のポケットから小石を3つ取り出した。
何の変哲もない小石。
に見えるけど・・・うん、そこらに落ちている小石よねー。
あたしは紙切れの裏をひっくり返して見た。

「授業参観及び保護者会のお知らせ」・・・?
「緑陰の候、皆様がたには・・・」と時候の挨拶のあと、
授業参観と保護者会の日時が書いてある。日時は5月の金曜日か。
                                       (続く)
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by kumorinotini | 2007-07-24 07:12 | 創作
私、今頃知りました、
「学生の(国民年金)納付猶予特例」も
実はけっこうややこしいって事に。

朝日新聞(7/20朝)によると
 
 「学生納付特例は、大学や専門学校などの学生本人の前年所得が118万円以下なら、
 国民年金保険料の納付が10年間猶予される制度で、00年度に創設された」

のだそうな。
で、

 「猶予は年金の加入期間にはカウントされるが、そのままだと将来の年金額が少なくなる」
のだそうで、
そこで<追納>、つまり後になって払う事になるわけですが、
そこで“ちょっとちょっと”なアレが出てくるのですよ。
な、なんと

 「3年以上前の分は加算額が上乗せされるのだ」

そうです。
加算額、なんていうとアレですが
ひらたくいうと、オカミが<利子>を取りに来る、という事です。
この利子(=加算額)というのが

 「厚生労働省によると前年発行の10年国債の表面利率で決ま」り、
 「特例の申請書には具体的な額は出ていない」

のだそうです。
この記事の中に
猶予してもらった保険料を今年度に追納するとしたらいくらになるか?
を計算したものがでていたので、写してみました。
  (ただし( )内の数字は私が付け足したもの)

年度     1ヶ月分の追納額(円)
00年度分  15070円 (13300+1770)加算率13.3%!
01     14500円 (同上   +1200)
02     13940円 (同上   +610)   
03     13730円 (同上   +400)
04     13540円 (同上   +210)
05     13580円 (同上   +250)
06     13860円 (同上   +530)
今年度なら13300円なのでそれぞれをさっぴくと( )内の右側の数字が
一応月ごとの利子(=加算額)という事になりますね。

師匠の時、この猶予特例を利用しようかどうか迷いましたが
<こんなうまい特例には絶対裏がある>と思って、利用しませんでした。
利用しなくて良かった、と今胸をなでおろしております。

ま、2年以内に追納してしまえばいいと言えばいいわけですが
もしも本人が払おう(=追納)と思ったら、
卒業して就職してなんとか給料を得るようになって生活も落ち着いて、
なんて事になると思うので
早くても4年後、実際はもっと後になる事だってあるわけで。

う~~む、オカミもアコギな事をなさる。

(と、こんな風に理解したんだけど・・・間違ってるかも)
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by kumorinotini | 2007-07-23 13:09 | 時事
すり替わっていた、と思ったら
実はすり替わっていなかったそうだ。
つまり、私が知らされていなかったってだけの話。

夫と義父の間では周知の事だったのだそうで。

Oを出発する時、
先の事はすべて未定だったんだって。

ここSに1ヶ月滞在し、その間にホームを捜す、というのは
義母向けの大嘘だったのだとか。
私も娘もその大嘘を信じさせられていたってわけ。

なんだか釈然としないけど
今さら蒸し返してもせんない事といえば せんないんだけど
腹は立つわね。
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by kumorinotini | 2007-07-23 11:50 | 夫さんの一族

ミラーサイトだったのに、本家になっちゃって・・・


by kumorinotini